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真の地域振興を目指して

日本エコビレッジ研究会代表 召古裕士さん

~地元愛を育む~

東京からUターンで島根県に戻ってきた召古裕士さん。少子高齢化の進行する島根県松江市島根町に定住して持続可能な社会を実現するため地域で活動を行っている。例えば、人と接することの少ない地元の方向けにコミュニケーションの場としての映画観覧会を開催したり、地域の魅力を集約したパンフレットを作成したりしている。持続可能な社会を実現するうえで地元の人が地域への関心を持つこと、愛着を深めることは欠かせない。召古さんの活動はこれらを育む機会となっている。

~真の地域振興へ~

召古さんが前述した定住型の地域活動を行っているのには理由がある。召古さんは島根県にUターンをしてきた当初、県や市役所など地方自治体の委託を受けて地域振興活動を行っていた。行政の事業は年度ごとに期間があり、地元の人たちではなく行政側のペースで行う。それは本当の意味で地域に貢献できていないのではないかと感じたそうだ。真の地域振興とはなにかを考え、召古さんが出した答えは「実際に地域に定住して活動を行う」ということだった。そして定住先として選んだのが島根町小波だ。

小波は島根町の北部にあり、そこから先には沖泊という岬しかない辺鄙な地域だ。岬はそれより先になにもなく、新たに人が流入する可能性の低い、いわば最も地域振興を行っていくことが難しい場所である。だからこそやりがいのある小波を定住先に選んだのだという。また、召古さんは幼いころから海が好きでもともと水中カメラマンを目指していた。沖泊の海という、河川からの水の流入がない透き通った海があったことも定住先に小波を選んだ決め手になったようだ。

~人と人とのつながり~

召古さんは持続可能な社会を実現させるために「人と人とのつながり」が重要であると考えている。地域振興がうまく進んでいるところは、地域のまとまりが良く意見や行動が連携していることからコミュニティーの大切さを認識したそうだ。

地域振興を進行していくためにはその地域のコミュニティーがしっかりしていること、つまり地元の人も地域を発展させていきたいと思っていることが前提として必要となってくる。今、召古さんが行っている活動は地域振興をしていくうえで基盤となっていくものなのだ。

将来的に島根町で持続可能な社会を実現するために何が重要か聞くと召古さんは次のように言っていた。「地域には様々な能力や経験、人脈を持った方々がたくさんいる。それは島根町も例外ではない。その方々をつなぎながら活動していく。」その言葉に込められた熱くまっすぐな想いを感じた。

【編集後記】

今回は私にとって初めての取材でした。不安でいっぱいでしたが暖かく迎えてくださり、学生の私たちにも面と向かって熱い想いを語っていただきました。取材ではたいへん多くのことを学ぶこともできました。召古さんの魅力はこの記事では表現しきれないほどのものだとこの記事を書きながら痛感しました。地域に興味を待たれている方はぜひ一度召古さんに会って話を聞いていただきたいと思います。

島根大学 片岡由耀

モルツウェル株式会社 代表取締役社長  野津 積 さん


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