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​雨粒御伝

​雨の松江の案内人

雨降る松江を楽しむ

「雨の日の松江を訪れると幸運を得ることができる」

こんな話を聞いたことはありませんか?実は松江市には雨の使者が8体いて、その雨の使者たちがこの話に関係しているというのです。

今回はそんな雨の多い松江市の「雨の日の魅力」に注目したまちづくりをご紹介します。

雨の使者とは?

 

その正体は「雨粒御伝」という8体の雨粒の姿をした石像たち。彼らは松江市内にそれぞれ存在していて、雨のパワーを受け取り、皆さんへ渡すという役割を担っています。8体それぞれ持っているパワーが違い、そのパワーにちなんで名づけられています。

 

『雨粒御伝パワー一覧』

・雨粒信伝(根気強さを養い、信念を貫く)

・雨粒友伝(信頼、自信を与え、人間関係を円滑にする)

・雨粒笑伝(怒りや悲しみを取り除き、前向きに物事を捉える)

・雨粒美伝(心身を癒して浄化させ、美と健康をもたらす)

・雨粒利伝(仕事、金運を高め、成功に導く)

・雨粒和伝(心を鎮め、穏やかで寛大な心と調和をもたらす)

・雨粒愛伝(結婚恋愛成就、縁を運ぶ)

・雨粒澄伝(感性を研ぎ澄ませ、集中力を高める)

 

そして雨が降れば降るほどパワーを蓄え、高めます。

実はその証として、雨に濡れると石の色が変わるので、

雨の日の松江を視覚的に楽しむのにもぴったりなのです。

 

引用HP:https://www.kankou-matsue.jp/enishizuku/map/onden.html

しかしこのモニュメント、設置までにある困難を乗り越えてきました。それは設置場所の確保です。当初は「松江城の周りを一周してほしかったので城の周りや城内にも設置しよう」と考えていた須山さん。しかし国有地である城内はもちろんのこと、城下町には県や市の土地が多く、設置の許可が下りません。そこで生きたのが須山さんの「雨の日の魅力を観光客に伝えたい。」という強い思いです。この思いと共にプロジェクトを進めた結果、周りの人々に熱意が伝わり、協力を得ることができました。そして、松江城の周りの堀川沿いに設置されるようになったそうです。

 

「雨の日って素敵ですよ。自分をリセットできるし、立ち止まれるし。雨の日の松江にいられることって、実はとてもラッキーなんです。」と語るのは雨粒御伝の創案者である須山広子さん。須山さんは松江城の近くで雑貨屋を営みながら、店を訪れる観光客の方に雨の日の魅力をアピールしていましたが、感覚的なおすすめだけではなかなか伝わりません。「やっぱり目に見えて雨の日って素敵だ、と思えるものがないと、この思いは伝わらない。」そう感じた須山さんは、「雨の日の松江を訪れると幸運を得ることができる」という都市伝説を作ろうと、NPO法人サードプレイス研究会で雨の日の松江の魅力を伝えるプロジェクトを始めました。そして歴史ある松江の城下町の風景に似合うデザインを考えた末、雨の使者である「雨粒御伝」というモニュメントが生まれたのです。

雨の日の松江の魅力を発信したい

雨粒御伝に込めた思い

 

雨粒御伝を見ていてまず気になるのは彼らの名前です。一見読みづらく、親しみづらい名前ですが、これは意図的なもの。このプロジェクトは雨粒御伝のキャラクター自体に親しみを持ってもらうのが本来の目的ではなく、「雨粒御伝に込めた思いを伝えたいというもの。だから、雨粒御伝が繋いでくれたご縁を大切にしたい。」と須山さんは語ります。また須山さんは雨粒御伝にまつわる絵本の制作も手掛けています。「雨の降る都(まち)」と題されたその絵本には須山さんが描いた絵と、伊達淳さんという翻訳家の方が書いたメッセ―ジが。そしてそのメッセージにも、また難しい言葉が選ばれています。周りから賛否両論あった中で最終的に選ばれた一見読み取りづらい表現。しかし、あえてこれらの詩的な言葉を選んだことで、雨の日の幻想的な世界やゆっくりと時間が流れる松江の魅力を十分に表したものとなっています。

~縁雫を巡る旅~

 

①受付

まず、「松江国際観光案内所」または「ぶらっと松江観光案内所」で受付をします。この時に受け取るのが「雨粒みくじ」。おみくじの中には雨粒御伝からあなたへのメッセージが書かれています。

 

②雨粒御伝を巡る

メッセージを受け取った後は、いよいよ雨粒御伝巡りです。メッセージに従い松江市内に8体存在する雨粒御伝のうち3体を巡ります。雨粒御伝は松江城の堀川沿いを始めとして城下の各地に存在します。そのため彼らを巡ることで、松江市内をゆっくりと観光することができます。

 

③雨粒御伝からパワーを受け取る

雨粒御伝を見つけたら指定された場所でパワーストーンを受け取ります。このパワーストーンは雨粒に見立てたもので、雨粒御伝からの贈り物です。たっぷりと彼らからパワーを受け取りましょう!

 

④チャームにする

指定された3か所で3つのパワーストーンを集めたら、カラコロ工房にある「さきたま」へ。ここで3つのパワーストーンを繋げて1つのチャームにします。あなた自身の手で集めてきたパワーがチャージされたラッキーチャーム。旅の思い出となること間違いなしです!そしてここで、縁雫を巡る旅はゴールを迎えます。

 

ここからはさらに幸運をGetしたい方へおすすめ!!

 

⑤幸運をGet!

チャームにしてもらった後は、カラコロ工房内にあるピンクのポストへ、自分で自分宛に投函してください。これにより、「ピンクの幸運ポスト」の幸運を自分のもとへ届けることができます。

 

⑥さらに幸せに!

さらに幸せを得るためにはもうワンステップ必要です。幸せになれる届け書、通称「幸せ届」に願い事を書いてチャームと共にピンクのポストへ投函すると、願いが叶うとされています。

 

初年度は50人ほどしか参加者のいなかったこの旅も、今年で5年目を迎え、今では年間6~700人の参加者を迎えるほどになりました。

それでも進化を続けようと、2017年度はインスタグラムを生かした宣伝を考えているそうです。

 

企画者の思いがいっぱい詰まったこのプロジェクト。

皆さまぜひ、雨の日の松江を楽しみにお越しください。

 

開催日:2017年4月1日~2018年3月31日(12月29日~1月3日は除く)

料金:1500円

受付:松江国際観光案内所 Tel:0852‐21‐4034

   ぶらっと松江観光案内所 Tel:0852‐23‐5470

 

雨粒御伝の居場所:

雨粒信伝(松江ごころ近く)

雨粒友伝(てづくり雑貨ちろり近く)

雨粒笑伝(堀川めぐりふれあい広場乗船場近く)

雨粒美伝(タウンプラザしまね近く)

雨粒利伝(松江歴史館)

雨粒和伝(堀川めぐり大手前乗船場近く)

雨粒愛伝(カラコロ工房)

雨粒澄伝(大橋館近く)

 

HP:https://www.kankou-matsue.jp/enishizuku/map/onden.html

編集後記

市内でたまに見かける雨の使者の石像たちには雨の日の魅力を伝えたいという強い思いが込められていることを知りました。私たちひと結びプロジェクトも同じ「松江市の魅力を伝える」者として、信念や初心を忘れずに活動していきたいです。観光で来られた方はもちろん、地元の方も、新たな魅力の発見へ雨の日も街へ出掛けてみてください!

​仲野 香穂

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