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宍道湖の畔で自由に、わがままに

日本シジミ研究所 中村幹雄 さん

口癖は「わがままに」

中村さんは以前県職員として働いていた。思うがままに現場で活動することが好きだった中村さんにとって、組織の中で縛られることが苦痛だった。そして60歳で独立し、たった1人で日本シジミ研究所を設立。わが道を進んだ。現在は中村さんの「わがまま」に賛同する11人の社員とともに、シジミや水質環境の調査研究をしている。

シジミとの出会い

県の水産試験場にいた中村さんは、宍道湖の淡水化計画に即し、淡水化後の漁業について研究をしていた。しかし調査を進めるにつれ、現在の宍道湖漁業の重要性を知り、シジミの存在の大切さに気づく。そして淡水化に反してシジミを守り汽水を守ることが使命だと、シジミの調査研究を始めた。中村さんのシジミ愛はここからはじまった。

調査からみる現代

宍道湖の畔に位置する日本シジミ研究所。社員みなが船舶と潜水の免許を持っていることから、フィールド調査ならどこにも負けないと中村さんは断言する。フィールド調査では生き物とその環境の繋がりにしっかりと目を向けないといけない。大学や多くの研究機関論文作成や結果を出すことが優先され、目の前の現象をわかったつもりになっていることが目立つと嘆く中村さん。フィールド調査だけでなく、どんな日常なことにおいても本質を見抜くことが大事だと話す。

これからも本番

今の仕事の楽しみは、歳をとっても現場の仕事ができ、いろいろな人と知り合えることだと語る中村さん。様々な出会いを大切にし、本当の繋がりをもとめるその姿から、この研究所にたくさんの研究員が集まる理由の一端を垣間見た。御年73歳の中村所長は先を見据えて、2年後今の仕事とは別の仕事を展開しようと模索している。いつまでたっても変わらないその「わがまま」が宍道湖・松江のよき未来を握っている。

【データ】

日本シジミ研究所

場所:松江市玉湯町林1280

ホームページ:http://sijimi-lab.jp/index.php

【編集後記】

取材後たびたび日本シジミ研究所に足を運ばせていただいた。取材とは関係のない自身の夢についても興味深く聞いてくださり、またアドバイスもたくさんいただくことができた。中村所長と話を進めていく中で、今自分に必要なことは迷わず、失敗を恐れずいろいろな事に挑戦していくことだと感じた。

島根大学 青木大輝


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