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本物に軸を置く

出雲かんべの里 館長 錦織 明さん

かんべの里と館長

出雲かんべの里は風土記の里の自然・文化に触れる文化体験施設である。そこで館長を務めるのが錦織明さん。紙芝居、丸木舟での航海、そば打ち、自然観察指導などの多彩な活動を行っている。その中でも紙芝居の作品数はすでに11本を数え、現在は新作も製作中。芝居道具を携えて年間50回以上も公演に出向き、子供たちを中心に多くの人に披露している。

「生の声」が響く紙芝居

錦織さんの書く台本は主に松江ゆかりの物語を由来としている。そして彼の情感豊かな語り口は、聞き手を松江の神々や歴史の世界にすうっと引き込んでいくのだ。 そんな紙芝居の魅力のひとつは、一方通行で見っ放しのアニメとは違い、見ている人が静止画の間に想像を膨らませながら楽

しめることだという。 また、紙芝居から生まれるFace-to-faceの結びつきも魅力的であると錦織さんは語る。直接語りかける生の声。「かんかんかん」と拍子木が鳴る生の音。紙芝居には、錦織さんの大切にする「本物」の価値がある。

自然の中に生活を見る

里山は「自然と人間生活が結びつく場所」 自然が生活にどう密着してきたかに注目して植物辞典を作っている錦織さん。そこには植物に関わる神話や食べ方など、より自然に親しみやすくなるような情報を記している。 また、旧暦の行事の復活にも取り組んでいる。旧暦と共にある、本来の季節の移り変わりを尊重しているのだ。 錦織さんは「自然と共に生きる季節感のある生活」に価値を認め、子供たちが木の実を避けてコンビニのお菓子を食べる現代生活に自然を取り戻したいと語る。 活動のコンセプト 「デジタルも良いけど、アナログが大事」「買うものも使うけど、手作り・地産地消が大事」 偏った見方をせずに双方の価値を認める。かつ、五感で感じる「本物」の価値がより高くあるほうに自身の軸足を置く。それが活動の中で錦織さんが大事にするスタンスだ。 そんな錦織さんの喜びは、自分にやることがあってそれで周りの人を喜ばせること。彼はこれからも身の回りの人や自然との暖かい出会いを尊んでいく。

【データ】

出雲かんべの里

ホームページ:http://kanbenosato.com

島根県松江市大庭町1614番地

【編集後記】

僕も自然の中で遊ぶのが好きなので、お話を聞いていると共感できるところがたくさんありました。自然と触れ合う、人とのつながりの大切さを再認識させられました。

島根大学 今井

みんなのあそびば asoviva

岸 良助さん

ひととひとが結び合う場、子供たちが自由に遊び学ぶ場を作るために奮闘しているから


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